宇宙のみなしご☆育児の百科

宇宙のみなしご (フォア文庫)

宇宙のみなしご (フォア文庫)

児童書☆1994年11月に講談社から出版された作品だが、今回はフォア文庫で読んだ。
主人公、飯島陽子14歳と年子の弟リンは、真夜中にこっそり、よその家の屋根にのぼる。それは、印刷所を自営していて忙しい両親に育てられる中で、ふたりきりの時間をいかに過ごすかの遊びのひとつだった。
ところが、陽子とリン、それぞれの事情から、七瀬さん、キオスクとふたりの仲間が加わることになる。そして……。

不思議な感じの話だと思った。文章がすっきりとしているので、どんどんストーリーを追って、面白いのだが、両親がほとんど実態として登場しない。仕事で家にもどれないような日に、屋根のぼりをしているのだが、親の実感がないので、「待ちに待った」という印象が無い。
そう、あまり熱くないのだ。14歳のいろいろある日常で懸命に生きている子達を描いているのだけど、熱くない。
でも、それぞれに必死で14歳を生きていることは伝わってくる。
不思議な感じ。