少女海賊ユーリ・未来へのつばさ

少女海賊ユーリ 未来へのつばさ (フォア文庫)

少女海賊ユーリ 未来へのつばさ (フォア文庫)

「少女海賊ユーリ」シリーズ完結です。
9巻のラストで、黒マントの男ボルドは、「世界の神になる」と言い残し、ユーリをつれさりました。
10巻は、つれさられたユーリが目覚めるところから始まります。
ところが、ユーリは記憶を失っていました。
ボルドは、ユーリに「おまえは、わたしのパートナーなのだ」と言い、新しい記憶をあたえようとします。
一方、リーデニア海中の仲間達がユーリを救うために集まります。
そして、探しに探してわかったユーリの居場所は、海賊たちも近寄らない魔の海域。そこにあるまぼろしの島でした。
でも、レニー、ノエル、ザーナンを始めとした仲間達は、ユーリを助けるために島へと向かいます。
いよいよユーリとボルドの対決の時です。どんな戦いになるのでしょうか。

読み終わって、物語の面白さは言うまでもないのですが、作者の心の豊かさに感動しました。
正義の人も悪の人も皆、人としての心を持っているということを、子どもの読者にしっかり伝わるように描かれています。
人間って何だろうとか、私はどうしてこんなふうな生き方をしているのだろうとか、本を閉じた後もしばらく物語を思い出しつつ、とても深い余韻にひたりました。
長男(中1)は、シリーズの大ファンですが、全巻読み終わって同じようなことを感じたようです。