ジジ きみと歩いた

ジジきみと歩いた (学研の新・創作シリーズ)

ジジきみと歩いた (学研の新・創作シリーズ)

「ジジ」は、主人公 翼(つばさ)と3人の友達が4年生のときに河原で出会った「のら犬」です。じじむさい顔をしているので「ジジ」という名前をつけたのです。
はじめは、河原で翼、来生(きすぎ)くん、ハヤチン、カッツンの4人が遊ぶ時、いつもそこにいるという存在でした。
でも、あることから、4人で「ジジ」を飼おうという方向に話が進んでいきます。


来生くんは「デキスギ」と呼ばれるほどで、勉強も運動もできて、誰に対しても穏やかな性格で人気者。
ハヤチンやカッツンは活発でやんちゃだけど、やっぱり人気者。
翼はというと……ちびで勉強も運動もできない、自分にできることなんてきっとないんだろうと落ち込んだ日々を送っています。
4人で飼うことになった「ジジ」も、結局翼の家の庭で飼うはめになってしまいます。
そして4人で飼うはずだったのに……。
4人で飼おうという約束はどうなるのでしょう。


人は、大人でも子どもでも、それぞれが違う事情の家庭に育ち、個性も違います。
そして自分のことは、欠点ばかりが気になって、良いところはなかなか気づかないものです。
そんな当たり前のことですが、大人でも時々忘れてしまうような気がします。
ましてや子どもは、友達のことや自分のことを考えることは、なかなか難しいのではないでしょうか。
この物語は、そんな子どもたちが、「ぼく(わたし)って、どうなんだろう」と、ちょっと立ち止まって考えるきっかけをくれると思います。
そして、「がんばってみよう」という元気をくれる物語だと思います。
我が家の長男は、小学校に入学以来ず〜っと、
「ぼくの得意なこと、自信の持てること」 を探しながら毎日を過ごしています。
長男には、是非是非読んでもらいたいです。
次男は「ジジ」というタイトルにひかれ、今読んでいる途中です。
ふたりの読後のひとことが楽しみです。


その他の登場人物では、孫の手を片手に翼を鍛えようとするおじいちゃんが、物語が進むにしたがって、どんどん味わい深くなってきます。
翼のおかあさんも大活躍します。
それと! ページの左下にあるオマケがとっても楽しいです。