風景

風景 (新・わくわく読み物コレクション)

児童文学作家・後藤竜二さんの自伝的作品です。
デビューから４０年だそうです。
後藤さんの作品に、時には空気のようにさりげなく、時にはその背景としてくっきりと、
描かれてきたものがこの「風景」なのだと感じました。
私は物語を書く人になりたいので、そういう目で「風景」を読みます。
どんな生き方をしてきた人がどんな作品を創作しているのか、それがとても興味深いのです。
環境や時代は違いますが、私は自分が生まれ育った町を憎悪していましたし、作品になどと考えることもありませんでした。
でも、「風景」を読んで、私が生きた場所もいつか作品として描くとこともあるかなあと思いました。
忘れたくて、無かったことにしてしまいたい時間も、じっくりと心の中で見つめてみたら、新しい発見があるかもしれないと思いながら、本のページを幾度となくめくり、読み返しています。