ぼくの友だち
- 作者: 高橋秀雄,長谷川知子
- 出版社/メーカー: 文研出版
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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でも、自分から話しかけて友だちをつくることができません。
クラスの子たちが教室にたくさんいるような時の休み時間は特に苦手です。
だれかが、和希にちょっかいをだしてくるからです。
ある雨の日、いじわる三人組が和希がトイレに行ったことをからかいはじめます。
その時、「うるせえ」と声をあげたのが「小野くん」でした。
和希が転校してきたとき、「いちばんきたならしくて、こわそうで、
近よらないようにしようと決めた男子」です。
和希は、小野くんが助けてくれたのか、ただ機嫌が悪かったのか、迷います。
でも、やっぱり気になって、放課後小野くんの家をめざして自転車を走らせるのでした。
小野くんって、どんな子なのでしょう。和希は、こわそうな小野くんに声をかけることができるのでしょうか。
ラストは、涙がうるうるとくる物語です。
読み始めてすぐに、「あ、これは」と思いました。
和希はうちのナガオとそっくりです。
自分から声をかけて友だちをつくることができない、
教室に先生のいない時間が不安でたまらない、
いろいろ文句を言われるのでグループ活動が苦手。
小学校生活の中で、和希と同じ4年生の一年間は一番つらい時期でした。
学年末のある日、家に帰るなり「もう、学校へ行けない」と泣き出しました。
一年間のつらかったあれこれを泣きながら私に訴え続けました。
それでも、なんとか不登校にならずに卒業しました。
6年生の時、その、いじめっ子たちと同じ中学校でいいのかと
ナガオに聞いたことがあります。
そうしたら、「いじめっ子もいるけど、離れたくない友達がいるから、
みんなと同じ中学へ行く」と答えが返ってきました。
やっぱり、友だちなんですね。
「ぼくの友だち」のラストでうるうるきたのは、和希とナガオが重なったからです。
そうでなくても、うるうるくると思います。