知らないことが、たくさんあります。

児童書☆ 紅玉 ☆後藤竜二・文 高田三郎・絵(新日本出版社


「紅玉」とはもちろん「りんご」のことですが、タイトルを見たときは、どんな物語なのか想像がつきませんでした。
この漢字ふた文字のイメージは、鮮烈で不思議な感じがします。
そのイメージは、物語の内容にぴったりで、「紅玉」の鮮やかな「赤」は心の傷に流れる血の色のように感じました。


この物語……終戦の年の9月に収獲間近のりんご畑がおそわれます。日本の軍隊によって連行され、炭坑での過酷な労働を強要されていた朝鮮と中国の人たちでした。
畑の持ち主である「父」は二度も戦争で中国大陸へ行かなければならなかった人であり、日本に帰ってからは炭坑で強制労働をさせられている人たちを見、その悲惨さをよく知っている人でした。
そこで、りんご畑をおそわれた「父」のとった行動は……。
読んでいて、悲しく、心が痛くなる物語です。

今日は私ひとりで読みましたが、明日にでも息子たちに読んであげたいと思います。