びんぼう神とばけもの芝居

びんぼう神とばけもの芝居―ばけもの長屋のおはなちゃん

びんぼう神とばけもの芝居―ばけもの長屋のおはなちゃん

児童書☆花のお江戸。暮れも押しせまった12月13日は、すすはらいの日。
長屋の大工の徳さんちに住み着いていた「びんぼう神」は、おかみさんにたたき出されそうになる。
その「びんぼう神」をかくまってあげたのは娘のおはなちゃん。
ある日、思いもかけないことが合図となって、ばけものたちが「びんぼう神」をたずねてゾロゾロとやってきた。
そして、オバケ屋敷をやることになったり、芝居をやることになったりと、ご隠居さんやこどもたちも一緒になっての大騒動!!
(読んでいるんだけど)落語を聞いているような感じで、チャキチャキとした歯切れのいい文章が、ポンポンとリズムよく流れていく。

気弱で影の薄い「神様」は、ばけものの勢いと大騒動に(存在が)食われてしまうのではと心配したが、ああ、いたいた! という感じで、ラストは、やっぱり……。
ホッとした。
私は、民話の「びんぼう神」のお話が好きなので、おはなちゃんが「うちの神さま」といって、やさしくしてあげる気持ちがよくわかる。
でも、本当にうちの押入れに住み着かれたらどうするかは、ちょっと……すぐには答えがでない……かな。
長谷川義史さんの絵は、息子共々ファンで、息子も「これって、『まんぷくでえす』の絵だあ!」と読むのを楽しみにしている。
先に母の私が読んでしまったという次第。